深夜のファミレスで東大生に1年前の受験のダメ出しされた話

ウチには現在大学1年の兄(とJKの妹)がいる。
今1年ということは、要するに入学時すでにコロナ禍で、まともな大学生活を遅れていない年代である。

 

その兄に東大生の幼なじみがいる。保育園から一緒で、小学生まではかなり仲のよい友達だった。
卒業後、東大君は筑駒に進んだので、それ以来あまり接点はない。
ただ近所に住んでいる上に母親同士が仲がよいので、何かの機会に(家族ぐるみで)会う事はある。

 

ちょっと前だが、その東大君家族とウチら家族がファミレスで話す機会があった。
(オミクロン株大流行の直前くらい)
コロナということもあり、お互いの息子が大学に入学して以来、ちゃんと会うのは初めてである。

 


ウチの兄の大学は、東大君が「押さえ」に受験した私大である。
なので東大君は相応にその大学の事も知っている。
二人とも理系なのでおそらく院に進む事になるだろうが、彼が言うには兄の大学は「いい大学だが大学院はクソなので東大の院に来い」という事だった。

 

ほー、ウチら両親も兄もそんなこと考えたこともないわ。
いわゆる学歴ロンダリングだな、と言うと、

 

「本当にやりたい勉強ができることに意味があるんで、学歴とか下らないですよ。」

 

奥さん立派な息子さんですね。。。


互いに大学受験以来会ってなかったためか、あるいはコロナで実質的な「大学生活」がないためか、もう1年前になる受験周辺の話が盛り上がる。実際、大学受験はそれなりに家族を巻き込むので、双方の家人に共通の話題でもある。

 

しかしその辺りの東大君親子の話は、ウチらとしては非常に興味深いものだった。
ウチら両親は地方出身ということもあり、首都圏の受験情報に疎い。むろん調べはするが、感覚的にわかりくいと思うことはある。
これは兄の中学受験でも痛感したことだが、東大君親子の話を聞くと、やはり情報量が違うと再認識させられる。

 

特に東大君の情報源たる「鉄」の存在感は圧倒的で、受験界隈のウチらの知らなかったことをよく知ってる。
ウチの兄の受験対策なり志望校選びにもいろいろダメ出しされアドバイスもくれた(もう遅いが、、、、)
ウチの兄にはもうちょっと良い選択肢があったらしいっすよ。。。

 

 東大君はそういう「情報格差」の存在に自覚的で、というより筑駒なり鉄緑会なりは、要するにそういう点で優位性を与えてくれる場なのだ。

 

例えば東大の入試には「解かなくていい問題」があり、それを知っているか知らないかで差が出る。
それを知らない地方の高校生は、手を付ける必要のない問題に時間を取られるからだ。

 

「まったくバカバカしいほどに不公平」

 

「受益者」として東大君はそれを非難こそしなかったが、憤っているのが口調からわかる。
彼は小学生のころから男の子らしい素朴な正義感の持ち主で、自信家で尊大?な割に好感を持てるのはそのせいだろう。

 

そういえば東大君の育った環境だって、親がそれぞれ教師と研究職だ。
それに比べりゃウチなんか、兄に親ガチャ失敗と思われて仕方ないレベルである。

 

小学校時代の中のよかった友達などのウワサは、特に女親経由でいろいろ聞こえて来たりする。
もう一人、兄が保育園時代から仲良しだった子は、相応に知られた私大に受かったらしい。
スポーツで進学した子がどうなったかは聞かない。
中学でドロップアウトした子とか。
等々。。。

 

だが、偏見もあろうが、ウチも含め、子供がかなりキレイに「両親から推測できる将来」におさまっていると感じる。
もう、ウンザリするほどである。

 

それぞれの家庭で(ウチももちろん)それぞれに教育にチカラを入れ育ててきてると思うが、それは「階級上昇」を目論んでのことだ。
それが徒労だったとは思いたくないが、「超えられない壁」があるのではないかと疑わずにいられない結末である。。

 

むろん「結末」などと考えるのは親目線である。子育てが終わりつつあるのだ。
だが本人達にとっては「まだ始まっちゃいねえよ」ってなもんだろう。

 

 


「超えられない壁」など、その意味では単に親と子の間にある距離にすぎない。
要するに親と子は別人格であるというだけのことで、親が子にもたらせる影響力の限界が見えてきたということは、彼らが個人として自立しつつあるということなのよね。