ワロタ。まあネタだろうが。
痛いニュース(ノ∀`) : “男女とも安心”「絶対に痴漢できない手袋」発売…特許出願中 - ライブドアブログ
そういえばちょっと前に痴漢の濡れ衣を着せて云々、というのもあったな。
全然関係ないが、例の曽野先生関連でのミニスカ論争で、被害者の自己責任論ってあったが、男性が被害になる場合という意味では痴漢冤罪は比較の対象としては面白い。
無論男性が被害に遭うというのだけでは、ほとんど全ての犯罪がそうだが、加害者が必然的に女性であるというのはそう多くない。この問題は(セクシャリティではなく)ジェンダーが明らかに絡んでいるので、痴漢(冤罪)にあるような構図は意味があるかも。
要するにこの種の手袋をする者が現れた時、そうでない者は冤罪被害にあって仕方ない(曽野先生の言葉を借りれば"期待している")、とみなされるわけだ。あるいはこれが現に販売されているという事実をもってそう言うことも可能かもしれない。
自己防衛論者達の言い分によれば、私たち男性の多くは既に痴漢とみなされることを期待しながら電車に乗っているのかもしれない。
無論それでもこの商品は売れないだろう。
痴漢冤罪被害など、遭ったとしても大したことが無いからではなく(結構人生にダメージが来るらしい)、痴漢と間違われないような防衛/気遣いなら言われなくても普通にするからで、いわばコストとベネフィットの関係でそれ以上のことをする意味を感じないからだ。
それでも実際に無実の男が痴漢と間違われ、あろうことか告訴されるとき、この商品の存在は男にとって不利な証拠だろう。
痴漢冤罪の場合、ひょっとしたら女性のほうも悪意など無いだろう。問題は犯意/悪意の所在ではない。もしそれがあればそいつが悪いのは当然だからだ。
それとは別に、被害者に落ち度は無かったのか?と問う時(個人的にはこの問い自体が意味不明だが)、手袋は我々の落ち度の存在を"証明"しかねない。
我々のような満員電車を日常的に利用する男性にとって、すべき防衛とは何か? 件の商品を即座に購入すべく行動することだ、と考える人用のマインドバンクのURL。
(問題の商品は買えないみたい。。。楽天にも無いよ)
そのように考える人がいることは別に問題ないし、それはそれで立派な態度と言えるが、それが社会的な言説として、いわば我々男性が当然のごとくに追うべき責務であるかのように語られるのは、この社長以外にとっては面白くないだろう。(上掲示板のコメントを見てもわかる)
それは社会(構造的な)問題を個人に転嫁するものだからだ。要は個々人が我慢すればいい、というのは自己責任論の基調だが、それは結局問題を温存するだけで、だれも幸せにせず、何も解決しない。
無論完全な解決などどこにも無く、予期できる未来にもありそうに無い。
だが個々人が我慢し、そもそも問題を問題視しなければ、この問題は完全に消えるのだ。防衛論者(の少なくとも一部)には、この種の問題を完全に解決したいという欲望が背後にあるのかもしれない。