Ditto

ウチの妹ちゃんが今まさに大学受験の真っ最中である。
今の高校三年生ということは、中学卒業/高校入学の頃にコロナ禍が始まっており、まともな高校生活を遅れなかった学年だ。

勉強に限らず、楽しいはずの学校のイベントのことごとくが中止/縮小となっており、親としても不憫である。。。。

また親として不本意だったのは、リモート授業が妹ちゃんに徹底的に合ってなかったらしく、 コロナ禍に突入後から成績が継続的に下降し続けたことである。
(むろん迅速にリモート授業を展開いただいた先生方には感謝しかないが)
結局成績は持ち直すことがなく、最後の模試で本人史上最低記録を叩きだしての受験シーズン突入である。。。。

 

まったく関係無いが、個人的には最近NewJeans の Ditto を聞きつづけてる。もう毎日のようにヘビロテである。
アイドルという枠組みを維持したままここまでやってくるKPOPスゲーなと素直に思う。

 

アイドルなのに音楽的に優れてるなどと言いたいのでは無い。音楽性にこだわったと称するアイドルなら日本にだっていくらでもいる。

そうではなく、この作品が全体としてイマドキの若い女子たちのアタマの中を上手く表現しているように思えるのだ。
ウチの妹ちゃんを見ても、彼女らのアタマの中ではいつもこんなふうに音楽が流れ、友達とこんなふうに踊っているのではないかと感じる。

 


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音楽業界は完全な男社会で、作り手も受け手も男性であることが前提されてる。それは女性アイドルであっても変わらない。
そこでの女性アイドルは「男から見た女子」を抜け出ることが無い。

 

ただこのNewJeansはデビュー以来、過剰にキラキラしているのでもなく、見る者にアピールするシグネチャなどもなく、単に彼女たちが彼女たち自身で楽しんでるように見える。
そういうコンセプトのグループなのだといえばそうだろう。
実際、NewJeansも念入りに設計されたグループとおぼしい。

 

それでもその女子的カルチャーがそのままに押し出されてきたというのが興味深い。
音楽業界でそのような女子的な価値観が入り込む余地など通常は無いからだ。
(通常、男性のプロデューサーなりファンなりが、彼女たちが彼女たち自身であることを拒む。それはアイドルに限らず「女性アーティスト」であっても変わらない)


もっとも、個人的にはこのMVを見て、現在大学受験真っ最中の妹ちゃんのことを考えている。
彼女は高校生活の3年間、多くの学校行事が中止、縮小されている。

妹ちゃんの学校は私立の中高一貫の女子校だが、それなりに名物と言っていいような校内行事もある。
修学旅行も運動会も合唱コンクールも、ダンスも校外学習も、妹ちゃんの学校ではそういう行事が盛り上がる。生徒たちが楽しみにしているのだが、 結局それがことごとく中止である。

この学校は中高の生徒の一体感が強く、学校行事に意欲的で、妹ちゃん達も中学時代にはそれら行事に(高校生と一緒に)加わって楽しそうだった。
男親から見るとそれはいかにも女子校カルチャーで、共学校ともまた違う楽しさだろうと思う。教員も多くが女性だ。
そういう彼女の姿を(多分そういうことが一番楽しい年代の)高校時代にはほとんど見ることができなかった。

彼女の高校生活は一体どのようなものだったろう?
勉強はおおむね不首尾に終わったがw、いつも名の挙がる数人の友人とは、中学時代からケンカをしたりグループから外れたり仲直りをしたりと、結局ずっとつるんでるらしい。ちょっと前にそのうちの一人から筑波大の一次を通ったとのLINEが来たそうだ。

 

親としては娘を女子校に入れた理由というのはあるので、それは別に勉強だの進学だのばかりではない。
親としてもいろいろと思惑が外れた6年間だったがw、女子が脇役/補佐役に回らないですむ環境(残念ながら共学校では性役割意識は未だに根強い)で、彼女は彼女自身の高校生活を送れたろうか?

今はさすがに机にかじりついて勉強ばかりだが、なんというか彼女の高校時代が思うほど充実しないままだったことも、成績が下げっぱなしで自信なさげに受験に望んでいることも、親がどうにかできることではなかったにせよ、見ていて複雑な気分である。。